「黒い百合」
孤独を知り 悲しみを知らなければ
愛を歌うことも許されないのでしょうか?
一心にあなたを想い
幸せを願った花の心を
誰が何ゆえ呪いと位置づけたのでしょう…
言葉は時に無力で
無意識に裏切っては刹那に消える
孤独に移ろう人の世の儚さ
愛に戸惑う無知の愚かさ
生きる為に人は忘れていくのでしょう…
凛として咲き誇る黒羽は
漆黒の空を見上げ想う
離別の隔たりを彷徨い
あの境界線を越えてしまったら
世界は償う事もできずに滅んでいく
闇に紛れた影の様に
黒に身を置き 黒に染まる
黒百合は想う事なく ただ 揺れている…
そしてその姿は ここからは決して見えない。